Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-28-2008

前の続き.

black / white の代わりに African American / Caucasian を使う人もいる.たぶん,黒人を black と呼ぶのが失礼にあたるからだろう.僕はたいてい black / white を使う.単語がふたつになるし,Caucasian は綴りを間違いそうだ.

ついでに•••

foreign という言葉も避けられることがある.昔は留学生は foreign student だったけど,今はたいてい international student だ.foreign だと,部外者というニュアンスがあるからかな.発音されない g があって綴りを間違い易いからかもしれない.

ついでに•••

臨床試験の世界で,何が差別的かというと,double blind という言葉だ.ある患者がどの試験薬を飲んでいるか,その患者本人も経過を診る医者も知らない,という意味.

日本語だと二重盲検.

臨床試験の対象が,ほぼ盲目の人たちという試験があった.そこでは double blind ではなくて double masked という言葉を使っていた.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-25-2008

職業柄,いろいろなデータを受け取るのだけど,患者の基本情報の年齢とか性別は欠かせない.研究対象がネズミでも性別はたいてい記録されている.

性別は英語で sex あるいは gender.

いろいろと例外はあるのだけど基本的には,生物学的な性別は sex で,社会科学的な性別は gender と理解していればいいようだ.

「この薬は男性にはよく効く」は sex について言っていて,「薬剤師の約6割は女性だ」は gender だ.

肥満児に対する(医者による)カウンセリングについてのデータの解析をしたことがあったけれど,児童の性別も重要な研究対象のひとつだった.女の子か男の子によってカウンセリングの内容が違うか?という疑問だったら,それは gender の違いに関する疑問.

でもこれはどちらかというと例外で,僕が受け取るデータの場合ほとんどが sex だ.でも,中には sex ではなくて gender という単語を使う研究者も多い.やはり少し照れがあるのかもしれない.という訳で,タイトルにあるようなセリフを含む会話をすることになる.

--- --- --- ---

race と ethnicity もよく混同される.

こっちの方がさらに曖昧なようだけど,簡単に言うと race は生物学的な分類で ethnicity は文化的,ということのようだ.アメリカで ethnicity と言ったら Hispanic かどうか,が問われているということが多い.スペイン語を話す文化圏の人間かどうか?

前述の肥満児に対するカウンセリングのデータ解析では,race も ethnicity も問題になった.race の観点からだと,黒人の方が肥満児の割合が高いのでどうのこうの,という話.ethnicity の観点からだと,ヒスパニックには言葉の壁がある場合が多いので,カウンセリングの内容が違うかもしれない,という話.

race と ethnicity は違うものなので,black で Hispanic, white で Hispanic, あるいは Asian で Hispanic というのもあり得る.だけど,race を問う時に選択肢が white / black / Hispanic だったり,混乱していることも多い.

きっとその道の専門家によると,何が race で何が ethnicity かというのはもっと奥の深い問題なんだろうな.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-22-2008

Here's the plot (PDF 64KB) of length versus release date of each of the Beatles' songs.

Some additional notes that didn't fit on the plot:

* Kansas City / Hey Hey Hey Hey (medley) is counted as one song.
* Revolution and Revolution 1 are counted as different songs.
* Free as a Bird (1995) and Real Love (1996) released with The Beatles Anthology are not included.

If you have comments/questions please send them to Tatsuki Koyama (tatsuki.koyama _at_ vanderbilt.edu).

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-21-2008

アメリカではメートル法はあまり普及していないので,新生児の身長,体重も,インチとパウンドで報告される.

でも,頭の大きさはセンチで報告される.

子宮底長もセンチだったなぁ.

本当は全部,メートル法を使いたいのだけど,それじゃ一般の人は理解できないから,せめて身長と体重はインチ,パウンドにしてあげようか,ということなんだろうか.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-19-2008

今から10年ほど前に,ビートルズの歌の長さのデータを集めた.非常に簡単に集められるデータだ.CDプレイヤーに表示される分,秒を記録するだけでよい.

初期のビートルズの歌は短いよなぁと思ったのが,このデータを集めた動機だ.

その後何度か(二度だ),このデータをグラフにして発表した.

今回はその集大成.小さく進化することはあっても,これから大幅に変わることはないだろう.

見ればすぐわかるけれど,全てのデータを表している.平均とか中央値は無用.

線の太さとか色とか,文字の色とか大きさとか,みんなそれなりの理由があって選んである.元々は印刷するように作っているので,画面で表示した場合は実は少し見た目が違うのだけど.

描かれているもの全てに存在意義があるし,存在意義の無い物は描かれていない.でも,そういうのは哲学的な意見も含むから議論の余地はもちろんある.

大雑把に見ると全体の傾向が判るし,細かく見ればいろいろ細かな面白いことが判る.

黒い点は Lennon-McCartney,赤は Harrison,紫がその他のビートルズの組み合わせで,青がカバー曲.

グラフは ここ (PDF 64KB) にある.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-16-2008

慶悟が生まれたのは7月30日の午後6時過ぎ.帝王切開だったので3泊して,退院したのが8月2日.その時の医療費などの請求書が来た.

これが全てではない.This statement is for hospital and clinic services only. と書いてある.つまり,医者の診察代が入っていない,ということだ.

今回来た請求書の分は全て保険で払われる.最終的に自己負担になるのは,500ドル強になる予定.(もちろん,月々の支払い分がもっと多い保険に入っていれば,この自己負担額は少なくなる)

産科 $2,400 obstetrics
休憩室 $500 recovery room
出産 $5,800 labor/delivery
麻酔 $1,100 anesthesia
放射線科 $600 radiology
薬科 $3,000 pharmacy
備品 $600 supplies
点滴 $900 IV
新生児室 $1,500 nursery
試験 $400 laboratory

合計 $16,800

出産はお金がかかるねぇ.ま,でもこれらは全て保険でカバーされるからいいのだけど.カバーされないのがどの費用なのかが気になる.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-10-2008

Generic drugs. 日本語だと後発医薬品.略して generic.

新しい薬を開発するのには膨大なお金がかかる.お金だけでなくて時間もかかる.そこで製薬会社は新薬の構造や製造方法などに特許権を取得する.その特許権は基本的に20年で消滅する.

消滅すると,他の企業が自由にほぼ同一の成分の薬を製造,販売することができる.もちろん,そういう後発医薬品も承認,認可されなくてはいけないけれど,先発医薬品がクリアしなくてはいけないハードルとは比べ物にならないくらい簡単だ.

コストがかかっていないので generic は安い.安いので多くの患者さんがそれを望む.患者さんだけではなくて,医療費削減を目指す人々(政府,保険会社など)も積極的に後発医薬品を勧める.

安いので,発展途上国などにも大量に輸出されたりもする.

でも,多額のお金をかけて先発医薬品を開発した(大手)製薬会社にとってはたまらない.generic が出回り始めると,元の薬の売り上げががた落ちするからだ.

そこで,なるべく開発にかかるコスト,時間を削減しようとする,というのは,また別のお話.

近所のスーパー Publix も,お抱えの(非大手)製薬会社があるようで,Publix ブランドとして,多くの generic を販売している.

大手の製薬会社のよく聞く名前の薬に手を伸ばしがちな消費者を generic に導くために...

その1:大手のタイラノールのすぐ横にパブリックスブランド.左は225錠で15ドル.右は250ドルで11ドル.錠剤の形,大きさはいっしょ.それだけではなくて,パッケージに書いてあることもほぼ同じ.元のパッケージが赤いので,パブリックスも赤が基調のパッケージ.ついでに写ってる下段の薬も,元が緑なのでパブリックスは緑が基調.

その2:胃酸過多の薬.大手の薬はきれいな薄い青緑色.パブリックスも同じ色.大手は10錠増量!を全面に押し出している.わざわざ30錠というのを打ち消して40錠と書いてある.パブリックスは,そんな小技を使わずとも,もともと40錠入り.値段は見ての通り.

その3:子供のお薬.赤には赤.入っているスポイトも同じ.味も同じチェリー味.Acetaminophen, 80mg, Pain Reliever, Fever Reducer 書いてあることは全く一緒.モデルを使っていないところも経費削減か.

その4:差額は5ドル.4割引きだ.大きな字も小さな字も書いてあることはいっしょだ.

その5:並べるだけではなくて,親切に引き算までしてくれてある.比べろ!うちのを買えば1ドル80セントもお得.

えぇと,特にオチはなし.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-09-2008

バックじゃなくてバッグ.背後に注意ということならバック (back) でいいのかな.バック (buck) には1ドル,という意味もあるけれど.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-06-2008

慶悟が泣いているので様子を伺っているところ.

「けいちゃん,どうしたん?」

「けいちゃん,hungry?」

--- ---

外を歩いていたらいきなり「おじいさん!」と叫びだした.何かと思って問い正すと,泰河が言っていたのは,「あちい Sun!」だった.

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車に乗る時にドアに頭を打った.ちょうど通りかかった人が "Watch your head!" と言ってくれた.それに対して "Taiga!" と答えていた."What's your name?" と似ていないことはないけれどね.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-05-2008

別に「裏話」というほどではないのだけど,誕生の話 で書きそびれたこと.

まりからの電話

僕が一度病院を後にして,運転している間にまりの身には何が起こっていたかというと...

検査で子宮口が9センチも開いているということが判明すると「もう動いちゃいけません」と言われて,すぐに車いすに乗せられたそうだ.

「何かあったら電話してね」と,まりの携帯電話をかばんから出してすぐ手の届く所に置いておいたから何とか電話できたけれど,それもお医者さんとか看護婦さんの注意が一瞬それた隙を見て,のことだった.だからすぐに切らなくてはいけなかったらしい.

予約があったから

ちょうど,この日検診の予約があったから病院に行ったけれど,そうでなかったら,たぶんかなり遅くなるまで病院に行っていなかった.陣痛はそれほど強くなかったから.その割にすぐに出産間近になってしまったので,もし家にいたらどうなっていただろう?と思う.陣痛が激しくなる頃には,もっと切迫した状況になっていただろうし,しかも逆子だったのだ.

出産後にまりと「ちょうど予約があって良かったよねぇ」と話した.

病院食

国際線の機内食をまずくした感じ.

病院内のインターネット環境

ワイヤレスの環境が整っているので,入院中もメールチェックなどができた.しかし,なぜか mc.vanderbilt.edu,つまりヴァンダービルト大学病院 (mc は medical center) 内にはつなげられない.セキュリティー関連の仕様なのか?うちの生物統計学部のスペースにもアクセス出来なかったので,やや不便だった.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-03-2008

これ の続き.

慶悟の出産はメディカルセンター東 (Medical Center East) であった.同じ大学病院構内でも普段あまり行かないところだ.僕のオフィスから徒歩7分くらい.

Medical Center East の隣には Vanderbilt University Hospital がある.

その2つの建物を結ぶ橋が幾つもかかっている.下の写真に写っている橋のうち,ひとつは工事中.

僕が写真を撮ったのもそんな橋のうちの一つ.

橋に名前がついていた.スカイブリッジだ.

もしかしてうちの大学の大学病院にある橋と呼ばれるものはみんな Skybridge なのかもしれない.ちなみにこの橋は地上4階の高さだ.

写真を撮る時に監視カメラが少し気になった.

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Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-02-2008

はじめに

2008年7月30日に次男,慶悟(けいご)が生まれた.これはその時の記録.僕はヴァンダービルト大学に勤めているので,まりの産婦人科もうちの大学.僕のオフィスから近いのでいろいろ便利だ.

当日の朝まで

出産予定日は8月6日(水)だったけれど,8月2日(土)に陣痛促進剤を使って予定出産をすることになっていた.7月21日(月)の検査で子宮底長がその前の測定値よりも短くなったので念のため超音波検診をすることになった.7月28日(月)の超音波検診で,何も問題はなかったけれど,逆子ということも判明した.最後の最後になってひっくりかえっちゃったのかな?

予定出産の日には硬膜外麻酔の後に赤ちゃんを回すの(通称:ぐるぐる)を試してみて,もし治らなかったら帝王切開ということに決まった.

あと1週間という頃になったけれど,あまり生まれる兆しはなくて,毎朝「今日生まれそう?」「まだ」という会話が繰り返された.

最後の検診

最後の検診は7月30日(水)の午後3時半からだった.その日の2時半にまりから電話がかかってきた.「何となく今朝からおなかが痛くてもしかして陣痛かもしれない」ということだった.運転させるのが少し不安だったので,急いで迎えに行った.雷雨だった.

家でUターンをして大学に戻って,産婦人科に着いたのはちょうど午後3時半だった.すぐに診察室に入れてもらえたけれど,そこでかなり待たされた.どうやら夏休みをとっている先生が2人ほどいるらしい.長く待たされることなんか今まで全くなかったのだけど,この日はいつまでたっても診察が始まらなかった.

妊娠後期になると,担当の医者以外の先生に診察してもらうことが多くなる.これは,赤ちゃんを取り上げることになるのはその日 On call (当直)の医者になるので,産む日が初対面ということにならないように,なるべく多くの先生と顔見知りにはなっておこう,という意図がある.この日の診察も担当の医者ではなかった.

4時過ぎまで待たされたので「軽い陣痛が来ているんですけど!」と,診察室の外を歩いていた看護婦に伝えてみた.確かに陣痛は来ていたけれど,まだ痛みもあまり激しくないし間隔も長い.ただ,そうでも言わないといつまでも待たされそうな感じだった.

高をくくる

4時半頃から,陣痛の激しさを測定する器械で陣痛の間隔と大きさを計った.20分ほど測定して,どうやら本当に陣痛が来ていることが判明した.さほど痛みを伴わないのを含めると間隔は10分弱だった.でも,この時はまだ「一度帰宅して様子を見なさい」と言われるのかな,と思っていた.まりによるとまだあまり痛くないということだった.

本当はこの日は簡単なチェックだけだと思っていて,遅くても5時には病院を出ることができると思っていた.高をくくっていた.水曜日は泰河がデイケア(保育園)に行く日なので,6時までに迎えにいかなくてはいけない.余裕を見たら遅くとも5時15分にはここを出たい.

陣痛が来ていることが判ったけれど,詳しい診察までまた少し待たされた.もし,今日帰らずに産むことになるのだったら,なるべく早く泰河を迎えに行ってなるべく早くここに戻ってきた方が良い.そう思ったので,5時少し前に僕は病院を抜け出して泰河を迎えに行った.「6時頃には戻ってこれるだろう」

緊急Uターン

病院の駐車場を出るのに思ったより時間がかかったりで,5時10分にまりから電話がかかって来た時,僕はまだ大学のすぐ近くにいた.電話の内容はちょっと予想していたものと違った.「今もう,子宮口が9センチ開いてて,今すぐ出産だって!あ,もう行かなきゃ」(がちゃ)

僕は大急ぎで引き返した.KFC の駐車場を使ってUターンをした.駐車場に車を止めて走って診察室に戻ると,もうそこにまりはいなかった.看護婦さんが出てきて,もう出産する部屋に行ったと教えてくれた.違う建物 (Medical Center East) の4階.なんとかまりの居場所を突き止めた.まりは出産の準備をする部屋で数人の看護婦さんに囲まれていた.

僕を見ると,まりはちょっと驚いた様子だった.すぐに帰ってくるとは思っていなかったらしい.

もう(ぐるぐるで)逆子を直している余裕はないので,逆子のまま産むか帝王切開かの選択を迫られた.逆子のままの出産は100に1の割合で何らかの問題が出ると説明を受けた.さらに,もう9センチも開いているのでエピデュラル(硬膜外麻酔)による無痛分娩は(たぶん)無理と言われた.2日前に逆子と聞いてからある程度覚悟は出来ていたので,帝王切開を選択した.

泰河

この時,僕もまりも「泰河をどうしよう?」と悩んでいた.誰かに迎えに行ってもらわなくてはいけない.6時までに行かなくてはいけないので,ある程度デイケアの近所に住んでいる人でないといけない.この切羽詰まった状況の中で,まりはなんとか,すぐ連絡がついてすぐ迎えに行ってもらえそうな人を一人挙げて僕に名前を教えてくれた.僕が,直接面識のないその人に電話したのは5時32分だった.幸い,その人は在宅中で,すぐに泰河を迎えに行ってくれることになった.早口でデイケアの場所を説明した.デイケアにも電話をして,迎えに行く人の名前を伝えなくてはいけない.その後もう一度,暗証番号などの詳細を伝えるために電話をした.

もちろん,僕が電話をしている間も出産の準備は着々と進んでいた.麻酔についての説明やら署名やら.帝王切開自体についての説明やら署名やら.帝王切開でも手術室まで付き添いで行けるので,僕もそれように白衣を着なくてはいけない.まりが手術室に移動する時に,僕は準備室で待つように言われた.麻酔が終わってから呼ばれるのが普通らしい.でも「通訳としてなら最初からいていいよ」と誰かが機転を利かせて言ったので,ずっといっしょにいられることになった.

手術室にて 麻酔チーム

手術室に入ると,麻酔チームと手術チームとが入り乱れていた.まだ準備が整う前,6時2分に電話がかかってきて,泰河をデイケアから受け取ったという報告を受けた.とりあえず一安心だ.後から聞いた話によると,車の中でずっと大泣きだったそうだ.いきなり知らない人が迎えに来て車に乗せられたら,泰河でも泣くということがわかった.6時半頃家に着いて,日本から来ているまりの母親の顔を見てようやく泣き止んだ,ということだった.

さて,大学病院なので,新米のお医者さんの教育機関でもある.医師免許は持っているけれどまだ研修中の身という医者 (resident レジデント) がたくさんいる1

麻酔チームも,実際に脊椎麻酔を入れるのは,レジデントの若者だ.横で年配の医者がいろいろと指示を出している.「そうじゃなくてさ...」という言葉が出たりするので,ちょっと怖い.その年配の医者が部屋を出ていた時に二度,まりを飛び跳ねらせるほどの痛みが襲った.麻酔の針が変なところに刺さっちゃったんだろうな.困るなぁ.そのレジデントは麻酔にかなり手こずったけれど,指導医が戻って来て一言二言指示を出すと,すぐに成功した.

手術室にて 手術チーム

手術チームの指導医も年配の貫禄たっぷりの医者.でも鼻歌まじりで陽気な感じだ.こういう医者が多い.患者をリラックスさせるために意識してやっているんだと思う.

手術台のすぐ横に椅子を置いてくれたので,僕はそこに座っていた.まりの胸のところでカーテンをしたので,もちろん切開して赤ちゃんを取り出すところは見れない.手術をしている人たちの会話は全て聞こえるけれど.部分麻酔だけなので,まりも意識はしっかりとしている.「がんばろうね」と会話をしていた.切られている痛みは感じないけれど,押されているのは判るらしい.

「がんばろうね」と言ってはみたけれど,手術中は特にがんばることはない.まりががんばるのは産後だ.僕は指導医とレジデントの会話をしっかり聞いていた.「はい,手をひっぱって」とかそんなことを言っていた.あとはひたすら褒めていた.褒めて伸ばす指導法だ.

6時32分に赤ちゃんが取り出された2.赤ちゃんはすぐに部屋の隅にいた小児科チームに引き渡された.産声が聞こえた.

生まれたよ

まりの胸のところでカーテンをされたので,まりの足側にいた小児科チームの方には行けなかった.その場で動かずにいたら「お父さん,カメラ持ってこっちに来て!」と呼ばれた.今日出産するつもりは全く無かったけれど,最近まりは毎日カメラを持ち歩いていたので,生まれたばかりの慶悟の写真を撮ることができた.僕がカメラを構えると小児科チームは手を止めて,写真に写りやすいように向きを変えてくれた.写真を撮り終えて振り返った時に,カーテンに隠れていたまりの胸から下が見えてしまったけれど,僕はそういうのが苦手なのですぐ目をそらした.

生まれたての慶悟はすぐにまりの胸に抱かれた.母と子(と父)が生まれてすぐに触れ合う時間だ.その後,僕と慶悟は新生児室に移動した.体重と身長を測定とか,予防接種の説明があった.8時少し前に,まりが手術を終えて,出産前にてんやわんやした部屋に戻って来た.8時半には入院用の部屋に移動した.

9時半頃に,滞在中に必要な物を取りに一度帰宅した.泰河は,普段の就寝の時間をすぎていたけれどまだ起きていた.雷が激しい夜だったので怖かったのかもしれない.泰河にはかわいそうな思いをさせてしまった.いつになくぎゅうっと抱きついて来た.添い寝をして寝かしつけようとしたけれど,眠れなかったようだ.仕方が無いので,泰河を寝かさずに病院に戻ることになった.あまり寂しくて泣くということはないので,この時も「泰河バイバイ」と言うと,泰河もちゃんと「バイバイ」と手を振った.

産後の痛み

当たり前のことなんだけど,産後,まりはいろいろな痛みに襲われた.帝王切開で切ったところの痛みと子宮収縮の痛みだけど,後者の方が激しいようだ.「ビキビキ痛い」と言っていた.定期的に痛み止めを飲みつつ,速やかに普通の生活に戻れるようにかなり強制的に回復させられる.

帝王切開後の退院は産後72時間だ.普通に出産した場合は48時間.それより長く病院にいると超過分は保険が効かない.日本だともう少しゆっくり病院にいられるようだ.でも日本だと相部屋ということもあるようだ.それはここでは考えられない.

部屋に,担当の看護婦の名前なんかが書いてあるホワイトボードがあって,そこに看護側のゴールが書いてある.それによると "out of bed in 4-6 hours".帝王切開の後6時間以内にはベッドから起き上がらなくてはいけない.トイレに行くということ.まりの場合はその6時間後が真夜中だったので,ベッドから出るのは少し先になった.

痛み止めが効いているうちはいいけれど,効き目が薄れると相当痛いようだ.でも,産後3日目には家に帰るのであまりのんびりとはしていられない.

産後2日目には部屋の外に散歩に行くように言われた.

割礼

アメリカでは,男の子は割礼をすることが多い.昔は アメリカ小児学会が推奨していたのだけど,医学的な利点が不明瞭とのことで,今は親の選択に任せる,ということになっている.泰河の時もしたし,慶悟もした.

生後2日目の金曜日に行われた手術は比較的シンプルで,まりの散歩も兼ねてふたりで見に行った.泰河の時は僕だけ観察した.シンプルな手術と言っても,もちろん慶悟は泣くし,少しだけど出血もあるし,器具も結構物々しい.後から聞いたのだけど,割礼を見に来る親はどちらかというと少数派で,ふたりそろって見るのはさらに少数だということだ.まりは椅子に座って見ていたけれど,よく見えない時は立ち上がって見ていた.最初から最後までで10分強だった.

産婦人科の先生がとても良い人で信頼しているけれど,子供の手術を親に公開して行う,というのはとても良いことだと思う.見えないところで何か怖いことをされていたら嫌だからね.

退院

産後3日目の土曜日に退院した.出産が夕方だったから夕方までいてもいいのだけど,退院の手続きは全て午前中に終わった.すぐに退院しなくてもいいよ,とは言ってくれたけれど.結局予定通りのんびりして,午後4時頃3人で家路についた.(慶悟誕生の話 終わり)Jason Bay がトレードされたので泣いている.

ー付け足しー

1Residents : レジデントを拒否することも出来る.僕は,患者が自分の場合はレジデントでもいいけど,泰河の場合は「レジデントじゃない人がいいな」と伝えることにしている.今回も言えば良かったんだけど,なんとなく忘れた.ま,立派なお医者さんになってくれるといいね.

2赤ちゃんが取り出されている時に僕の携帯電話が鳴った.マナーモードにしているから音は鳴らなかったけれど.着信履歴によると,ほんとにぴったり出産の時刻だった.後で見てみたら知らない番号だった.次の日に同じところからかかって来た.何かのセールスのようだった.誰かが間違えて僕の番号を登録したのか.

魔方陣作成機 で作ったお誕生おめでとう魔方陣.

足し算

20080730
352919
622325
4331711

掛け算

20080730
356440
24140101
2512028

平成171819202122232425262728293031323310111210111213141516171819202122232425262728293031日 土曜日|育児(出産)コメント(12)

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