Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 08-25-2008
職業柄,いろいろなデータを受け取るのだけど,患者の基本情報の年齢とか性別は欠かせない.研究対象がネズミでも性別はたいてい記録されている.
性別は英語で sex あるいは gender.
いろいろと例外はあるのだけど基本的には,生物学的な性別は sex で,社会科学的な性別は gender と理解していればいいようだ.
「この薬は男性にはよく効く」は sex について言っていて,「薬剤師の約6割は女性だ」は gender だ.
肥満児に対する(医者による)カウンセリングについてのデータの解析をしたことがあったけれど,児童の性別も重要な研究対象のひとつだった.女の子か男の子によってカウンセリングの内容が違うか?という疑問だったら,それは gender の違いに関する疑問.
でもこれはどちらかというと例外で,僕が受け取るデータの場合ほとんどが sex だ.でも,中には sex ではなくて gender という単語を使う研究者も多い.やはり少し照れがあるのかもしれない.という訳で,タイトルにあるようなセリフを含む会話をすることになる.
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race と ethnicity もよく混同される.
こっちの方がさらに曖昧なようだけど,簡単に言うと race は生物学的な分類で ethnicity は文化的,ということのようだ.アメリカで ethnicity と言ったら Hispanic かどうか,が問われているということが多い.スペイン語を話す文化圏の人間かどうか?
前述の肥満児に対するカウンセリングのデータ解析では,race も ethnicity も問題になった.race の観点からだと,黒人の方が肥満児の割合が高いのでどうのこうの,という話.ethnicity の観点からだと,ヒスパニックには言葉の壁がある場合が多いので,カウンセリングの内容が違うかもしれない,という話.
race と ethnicity は違うものなので,black で Hispanic, white で Hispanic, あるいは Asian で Hispanic というのもあり得る.だけど,race を問う時に選択肢が white / black / Hispanic だったり,混乱していることも多い.
きっとその道の専門家によると,何が race で何が ethnicity かというのはもっと奥の深い問題なんだろうな.