Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 07-18-2006

おととい ESPY (エスピー)というイベントがテレビで放送された。生放送ではないのだけど。言うなればスポーツ界のアカデミー賞。 Best Team とか Best Play などが投票によって決まる。雰囲気はアカデミー賞といっしょ。1993年に始まった。1993年の ESPY でのジミー・バルバーノのスピーチは、アメリカスポーツ界最高のスピーチとして今でも何度もテレビやラジオで放送される。

ジミー・バルバーノ (Jimmy Valvano) は元ノースキャロライナ州立大学のバスケットのコーチで、一度全米優勝も経験している。

Jimmy V. は1992年6月に癌と宣告された。その9ヶ月後の ESPY で the Arthur Ashe Award for Courage という賞を受賞した。 Arthur Ashe は その年の ESPY の約 1ヶ月前にエイズが原因で死んだ。【⇒ウィキペディアによるアーサー・アッシュの記事】

1993年 3月 4日の ESPY でジミー・バルバーノのアーサー・アッシュ賞受賞のスピーチは、僕も当時テレビで見て覚えている。その頃の英語力で全てを理解できたとは思わないけれど、(ジミー・バルバーノが誰かも知らなかったし)それでも、『あきらめるな』というくだりと、最後の『癌は私の身体能力を奪うかもしれないけれど・・・』というところはちゃんと理解できた。

ジミー・バルバーノについて日本語で書かれたページがなかったので、とりあえず、その時の受賞スピーチを日本語訳してみた。かなり長いけど・・・

☆★☆★☆★☆★

アーサー・アッシュと自分の名前がいっしょに並べられることは、言葉では言い表せないほどの名誉です。この賞は永遠に私の宝物です。誰も私にスピーチの残り時間を告げる人がいないので、私は今日の誰のスピーチよりも長く話します。時間は私にとってとても大切です。私にどれだけ時間が残されているか判りませんが、今日はみなさんに言いたいことがあります。このスピーチが終わった時に、何かみなさんの大切な物となるようなことを言えるのであれば幸いです。

皆さんがご存知のように、私は癌と戦っています。いつも多くの方が人生がどんな風で、今日がどんな日だったかと訊きます。昔と何にも変わっていません。ディックが言ったように、私はとても感情的で情熱的です。これはどうしようもありません。ロッコとアンジェリーナ・バルバーノの息子であるが故です。血は争えません。私たちは抱擁して、キスして、愛します。多くの人が私に毎日どうしてやっていけるのか訊きます。私が、毎日私たちがするべきだと思うことが3つあります。人生の毎日するべきことが3つあります。1つめは笑うことです。毎日笑いましょう。2つめは考えることです。毎日考えることに時間を費やしましょう。3つめは涙が流れるほど感情的になることです。幸せや喜びの涙です。考えてもみて下さい。笑って、考えて、泣いて、それだけすればそれは素晴らしい一日です。それを毎週7日間やれば、あなたは何か特別な物を手に入れられるでしょう。

今日、私の良き友で素晴らしいコーチであるマイク・シシェウスキーといっしょに飛行機に乗りました。彼はとても素晴らしいコーチでありますが、その10倍もよい人です。この5ヶ月か6ヶ月の間、私の癌との闘いで彼は私にとってとても大切な人でした。私はマイクと選手として対戦しましたし、コーチとして15年もの間対戦しました。だからマイクを見るといつもこう思います。私の人生で大切なものは、「どこで始まったか」「今どこにいるか」そして「この先どこに行き着くか」ということです。この3つのことは私が毎日思いを寄せることです。何かのスピーチをする時、いつも思い起こされるのは、私がコーチとしてした一番最初のスピーチです。

(ここは訳していません)彼が初めて監督としてラトガーズ大学のバスケットボールチームに試合前のスピーチをした時のエピソード。長々としたスピーチではなくて、グリーンベイパッカーズの伝説的な監督、ヴィンス・ランバーディの本にあったスピーチを真似した話。「今シーズン3つのこと、この3つのことだけ、に集中しさえすれば、我々は成功する。家族と宗教とグリーンベイ・パッカーズだ」というスピーチを真似して、最後のグリーンベイ・パッカーズをラトガーズ大学に変えなくてはいけないのだけど、緊張のあまり、そのままグリーンベイ・パッカーズと言ってしまった、というエピソード。

これが始まりでした。

そして、今どこにいるか知ることも大切です。私は今自分がどんな状態か判っています。ここから、目的の場所へどうやって行くか?それには人生に対する情熱を持っていなくてはいけません。夢とゴールを持っていなくてはいけません。そして、努力をしなくてはいけません。

私の家族について話しました。私にとって家族はとても大切です。私は勇気に満ちていると思われます。私の勇気は私の家族です。私の妻パムと3人の娘、ニコル、ジェイミー、リーアン、そして私の母親です。・・・そこの画面に残り30秒と出ました。私が今そんなことを気にすると思いますか?私の体中には癌があります。舞台裏の誰かが「30秒」と言ったって気にすると思いますか?よくそんなこと言えますね。よくそんなこと言えたものです。(注↓)

もう1つ最後に。私は全ての人にこう薦めます。あなたの人生の貴重な時間を楽しむように。毎日笑って、考えて、感情的になるように。毎日情熱的になるように。ラルフ・ウォルド・エマーソンは「情熱なしでは何も偉大なことはできない」と言いました。そして、どんな問題に直面しようとも夢を絶やさないように。夢を現実のものにするために一生懸命がんばる力を絶やさないように。

私は現在の状況を把握して、自分が何をしたいのかも判っています。私は、どれほどか判らないけれど残された時間を使って、出来るのならば、人々に希望を与えたいです。

アーサー・アッシュ財団は素晴らしい団体です。エイズのために寄付されるお金は充分ではありませんが、すごい額です。でも、私がこう言ったらどう思いますか?癌の研究への寄付金はエイズの研究への寄付金の10分の1です。毎年50万人もの人が癌で死にます。4人に1人はこの病気に犯されます。でもなぜか、癌はいつも背景に埋もれてしまいます。私はそれを前面に持ってきたいのです。私たちはあなたの助けを必要とします。私はあなたの助けを必要とします。研究にはお金がかかります。もう私の命を救うのには手遅れかもしれません。でも私の子供たちの命を救うかもしれません。あなたが愛する人を救うかもしれません。

ESPNは私の努力に手助けしてくれました。それはどういうことか?お金です。そのおかげで、今夜発表できます。私たちは癌の研究のために Jimmy V 財団を設立します。私たちのモットーは「あきらめるな、絶対にあきらめるな」です。それは私が残された時間に常にやろうとしていることです。私は私に残された日々を神に感謝します。もし私に出会ったら、笑いかけて抱きしめてください。それも私にとって大切なことです。そして、もしできたら寄付をしてください。それで誰かが生き延びるかもしれません、成功を収めるかもしれません、このひどい病から回復するかもしれません。

この財団が設立されたことをESPNに感謝しても感謝しきれません。私は出来る限り、癌の研究のために力を尽くします。そして、もしかして、研究に躍進があるかもしれません、治療法が見つかるかもしれません。そしてこう思いたいのです。癌と戦い続けて、来年次のアーサー・アッシュ賞の獲得者の為にここにいたい。来年、その賞を私が授与したいのです。

制限時間なのは判っています。最後にひとこと、一度言ったことですが、もう一度言いたいです。癌は私の全ての身体能力を奪うかもしれません。でも癌は私の精神を奪うことはできません。癌は私の心を奪うことはできません。そして癌は私の魂を奪うことはできません。この3つの物は永遠に生き続けるのです。

どうもありがとう、神のご加護がありますように。

☆★☆★☆★☆★

(注):ジョークです。真剣に怒ってるわけではない。このあと、Va fa Napoli. と言っている。イタリア語のスラングで、「おととい来やがれ」とか言う意味らしい。

Jimmy Valvano はこのスピーチの約2ヶ月後の4月28日に亡くなった。

最近、共同研究者の一人がこの V Foundation の助成金に応募しようとしている。

リンク
V Foundation
American Rhetoric (このスピーチが読めるし聞ける) でも早口なのでヒアリングの練習には不向き。
このページ、MLK からリンカーンからケネディーから、いろんなスピーチが聞けておもしろい。検索できないのが難点だけど・・・

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