Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 11-13-2006
僕がよく訊かれる質問のひとつに「日本に帰らないの?」がある。初めて渡米してから15年くらい。今のところ答は「帰らない」。理由は、いろいろあるんだけど、最も重要な理由のひとつがタバコ。日本はタバコくさくて生活しづらい。3日が限度かな。
日本でタバコの煙がいやだなぁ、と思っている人って結構多いと思うのだけど、アメリカにいれば、多少の努力で、避けようと思えばかなり完全に避けられる。
テネシーは、もともとタバコ産業のさかんなところだったから、アメリカの中では喫煙者に優しいと思う。ま、それでも日本とは比べ物にはならない。
フィリップ・モリスのページを見てみた。
Philip Morris USA のページは禁煙を勧めるページとなっている。裁判所の命令でこうなったんだと思うけど、ま、それでもいい。
Smoking & Health Issues (喫煙と健康問題)のリンクをたどってみた。
いろいろ書かれている。
日本語訳
喫煙と病気フィリップモリスUSAは医学的・科学的な圧倒的な総意に賛同します。すなわち、喫煙は肺がん、心臓病、気腫、および他の重病の原因となり、喫煙者は、非喫煙者に比べて、このような重病を患う可能性が非常に大きいです。安全なタバコは存在しません。
中毒性フィリップモリスUSAは医学的・科学的な圧倒的な総意に賛同します。すなわち、喫煙は中毒性があります。タバコをやめることはとても難しいことでもありますが、その困難さがタバコをやめたい人の妨げになるべきではありません。
受動喫煙政府の公衆衛生部は、(研究の結果)以下の結論を出しました。受動喫煙は、非喫煙者の大人の肺がん、心臓病などを含む病気の原因となり、また子供の、喘息、呼吸系感染、せき、喘鳴、中耳炎、および乳幼児突然死症候群の原因となります。
全部訳した訳ではないけど、要するにタバコがこういった病気の原因である、と言っている。 元の文は cigarette smoking causes ...
さて、JTはどうだろう?何度かクリックが必要だけど、喫煙と健康に対するJTの考え方という ページ にたどり着ける。
そのさらに奥の「喫煙と健康」を読んでみた。
要約すると・・・厚生労働省が「たばこは多くの疾病の危険因子だ」と言った。私達もそう認識していて、今後の更なる研究が必要。
しかし2段落目で、この厚生労働省の見解は疫学研究による物で、喫煙者集団において特定の疾病のリスクが非喫煙者集団より高いことを示している、と言っている。
3段落目では、疫学研究について説明している。要するに、タバコ以外の全ての要因(住環境(大気汚染等)、食生活、運動量、ストレス、遺伝的要因)を同じにした集団を比べている訳ではないので、疫学研究では個々の喫煙者について疾病のリスクを明らかにできない、と言っている。
4段落目では動物実験において、たばこのタール(数千本~数万本相当)をマウスに直接塗ると癌が発生することが確認されている・・・と言っているけど、煙だけで癌を発生させることは困難、というのが言いたいらしい。
で、結局最後の閉めは、『喫煙するかしないかは、喫煙の健康への影響・リスクに関する情報に基づいて、個々の成人の方が決めるべきものです。』
疫学研究しかなされていないから、因果関係は証明されていない、というのが一貫した見方のようだ。
因果関係を確立させるためには臨床試験が必要なのは確か。タバコの害を見極める臨床試験はこういう風になる。健康な非喫煙者、何人か連れてきて、ランダムに2つのグループに分ける。1つのグループに喫煙者になってもらう。何年か後、疾病の割合を比べる。
そんなこと出来ない。という訳で、JTはこの先いつまでも喫煙といろんな病気の因果関係を認めない気なんだろうか?
タバコの煙がいやだと、日本には住めない。僕が日本に帰らない一番の理由は本当にそれなんだ。
コメント
今度卒業するソウル大学出身の友人が、(日本同様)韓国でもアカデミアのポストをすぐに取るのは難しいと言ってました。そこで、アメリカで何年か Assistant Professor として働いてから母国の教授職に応募するんだとか。僕がその立場だったらこっちにずっと残る気もしますが。。将来的には(タバコが改善されれば?)帰国される構想はあるんですか?
今の生活が心地よいのでなかなか日本が視野に入りません。日本のバイオスタットはまだ認識度が低くて、結果的に臨床統計の専門家の待遇がアメリカ・ヨーロッパと比べると悪そうです。ただここ何年かでかなり変わってきているみたいなので、成り行きを見守っているところです。ま、でも「タバコが改善されれば」という仮定が満たされることがないと思いますが・・・
あと、子供の教育はアメリカがいいなぁ、と思います。いろいろ考慮した結果。