Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 06-12-2008
今日6月12日は Loving Day だ.
1967年6月12日にアメリカの最高裁判所が,当時16の州でまだ有効だった白人と黒人の結婚を違法とする州の法律を全て,無効とした.
Loving というのはヴァージニア州を相手に裁判で闘った白人と黒人の夫婦の名字.Mildred (黒人女性)と Richard (白人男性).付き合い出した時,ミルドレッドはまだ11歳だった(リチャードは17歳)というから少しあぶない.
1958年にミルドレッドが18歳になったので Washington DC で,それが州法に違法していると知らずに結婚した.そして2週間後に逮捕された.
その後,ロバート・ケネディーの援助の元,ヴァージニア州を相手に裁判を起こし,1967年の6月12日に最高裁判所の判断によって勝訴となった.
1967年以前の州法にどんなことが書いてあったかというと・・・例えばテネシー州のは非常に短い.
Whites and negroes or mulattoes are forbidden to marry or cohabit. mulatto とは両親が白人と黒人の人のこと.結婚だけではなくて同居するだけで違法となる.
例えばジョージア州の法律はかなり長い.
It shall be unlawful for a white person to marry anyone but a white person.という書き出し.違法した場合は1年以上2年以下の禁固刑だそうだ.有色人種 (Person of color) の定義まで丁寧にしている.それによるとAll negroes, mulattoes, and their descendants, having any ascertainable trace of either Negro or African, West Indian, or Asiatic Indian blood in his or her veins...だそうだ.
1967年の6月12日以降,こういった州の法律は執行力を失ったのだけど,州によってはまだ法律として残していたらしい.「白人と黒人の結婚を禁止する」という条文を最後に消し去ったのはアラバマ州で,それは2000年のことだったらしい.
The Legislature shall never pass any law to authorize or legalize any marriage between any white person and a Negro, or a descendant of a Negro.という,1901年に書かれた文が2000年まで州法に書かれていたというから驚きだ.ちなみに2000年の投票で,これを削除することに賛成したのは 64%,反対したのは 22% だったらしい.
Mildred Loving が今年の5月に亡くなって,mulatto である Barack Obama が大統領候補になったこともあって,今年の Loving Day は例年よりも盛り上がっている.
僕の周りにも日本人とアメリカ人の夫婦はたくさんいるけれど,みんなお祝いしているんだろうか?
白人と黒人の結婚が合法化されてから約40年,今は,同性の結婚が合法化され始めている.例えば今から20年後に,「そう言えば,昔はそんな差別がされていたっけなぁ」と振り返ることになるんだろうか?
コメント
今年は、大統領選の年です。 先日アトランタのマーチンルーサーの博物館に行ってきました。 彼のような人がきっと沢山犠牲になって、いわゆる有色人種はこの国で徐々に市民権を得るようになったのでしょう。 でも、先週の会社のトレーニングにでてきた、21歳の若者が 「俺は、オバマなんかにゃ投票しない。 ヒラリーもだめだ。 女は、感情的で決断力に欠ける。 この国は、白人男性にしかリードする事ができない。」 と皆の前で発言した時には、
私は、「やっぱりこの南部は、始まる前に終わってる。。。」 と感じたのでした。 こんなとんでもない地域で、マルチカルチャラルな息子を育てるという事にウカウカしてられないと再確認したのでした。。。
大きな国なのでいろんな人がいます.
でも差別はアメリカに限ったことではありませんね.かえって,見苦しいところが日の目にさらされた歴史があるので,その分オープンなのはいいことなのかもしれません.少なくともあからさまに「外国人お断り」というようなことはもうありません.
結局,たくさんの人をひとくくりにしてしまうのがいけません.
女は... 黒人は... 南部は...
女性にも黒人にも南部の人にもいろんな人がいます.