Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 01-26-2010
Under-promise and over-deliver.
控えめに見積もって期待以上の成果をだせ,ということだ.
接客業でよく言われるようだ.例えば「来週の火曜日までにできます」と言って,がんばって月曜日に終わらせる.
逆の over-promise and under-deliver は言わば「口ばっかりでかいこと言いやがって,行動がともなってないんだよ」ということだ.
"Under-promise and over-deliver" は仕事で共同研究者と論文を書くときに頭においておくようにしている.
すごく労力をかけてデータを集めると,それを使っていろんな結論を出したくなる.でも,無理矢理導かれた結論というのは,やっぱり真実ではないことがほとんどだ.
データを正確に(というか正直に)解析する統計学者の仕事は,感情に押し流されがちな共同研究者に現実を見つめさせることでもある.
A:「我々は乳ガンの早期発見につながるバイオマーカーをみつけた!」
B:「あなたのデータからはそんなことは言えない.」
B:「そう言った傾向がないことはないかもしれないけれど,あなたのデータはそうは示していない.」
そういうことを伝える.
乳がんだけに限らず,最近「発見」されたバイオマーカーで,独立した新たなデータで再確認 (reproduce) されたマーカーは極めて少ない.
コメント
> データを正確に(というか正直に)解析する統計学者の仕事は,感情に押し流されがちな共同研究者に現実を見つめさせることでもある.
同感です。
それでも統計家の意見を押し切ろうとする臨床開発担当がいると、感情的に逆方向にハンドルを切ってしまう僕はまだまだです。
統計家はどこまでも冷静でいなければなりません。
# 僕は統計家ではなく、未だ「統計担当」です。
人はデータと異なり、感情に左右される良い例ではないでしょうか?難治患者(現実)に直面して、奮い立つ臨床家の気持ちも少し理解できます。
なりふり構わず邁進する姿も,時には見る方(患者)に希望を与えるようです。
つまり,何が良くて何が悪いのかの判断は難しい,ということで。それは時代が判断するのでしょうか?
今はやりの Evidence Based Medicine (根拠に基づいた医療) に関する論点ですね.
データが僕のところに到達するときには,感情の希薄な数字の羅列になっているので,どちらかというと感傷的にならずにすむことができます.