Sunday, Monday, Tuesday, Wednesday, Thursday, Friday, Saturday, 01-06-2011

昨年の12月のはじめに地元のスポーツラジオを聞いていたら「ナッシュビルタイタンズは非常に streaky なチームだ」ということを言っていた。連勝、連敗のことをそれぞれ winning streak, losing streak というので、streaky とはこの場合、勝ったり負けたりが続く傾向にあるチームのことを言う。

確かにタイタンズはそういう傾向があるような気がする。昨年の12月にそういう話題になったのも、その時、連敗中だったからだ(結局6連敗した)。昨シーズンはいきなり開幕6連敗の後、5連勝した。その前のシーズン(2008)は開幕10連勝したっけ。

本当にタイタンズは streaky と言えるのだろうか?こういう連勝とか連敗は記憶に残り易いし、ラジオなんかでもよく話題にのぼる。連勝、連敗しない時のことを忘れているだけなのかもしれない。印象に残りやすいことばかり記憶する selective memory というやつだろうか。

そういう訳なので、ちゃんと見てみた。

データは ここ で手に入った。1997年から2010年までの14年分。1997年はタイタンズがナッシュビルにやってきた年だ。ちなみに最初の2年は Tennessee Oilers という昔の名前のままで、1997年はメンフィスを本拠地にして、1998年はヴァンダービルト大学のグランドを本拠地にしていた。(スタジアムが完成したのが1999年シーズン前なので。予定より2年早く移動したので、スタジアムが間に合わなかったのだ)

連続して勝ったり負けたりする傾向にあることを示すには何を計算すればいいのだろうか?

1シーズン16試合のうちに何回連勝、連敗があるかを計算することにした。至極当然だ。ただ1勝、1敗も連勝、連敗として数える。 すなわち、勝ち (W) の状態と負け (L) の状態を移動するスイッチが何回切り替わったか、だ。例えば、WWWLWW という結果だと、スイッチの数は2.streaky なチームはこのスイッチの数が少ないはずだ。

さらに、何勝したかも考慮にいれなくてはいけない。16勝0敗のチームは必然的にスイッチ数は0だし、勝ちと敗けの数が近いほど、スイッチ数が増える傾向にあるはずだ。

14シーズンかける32チーム(でも最初の5年間は Texans が存在しなくて、最初の2年間は Browns が存在しなかったので、全部で441の結果を見た。1シーズンは16試合だ。横軸に勝った試合数、縦軸にスイッチの数。
クリックで拡大

まず、右下の x=16, y=0。これは2007年のペイトリオッツ。16勝0敗。左下の x=0, y=0 は2008年ライオンズ。0勝16敗。

スイッチが1だったのは、2001年パンサーズ。1試合目に勝利してその後15連敗。2009年のセインツは13連勝の後3連敗。同じく2009年のコルツは14連勝のあと2連敗。(この2チームがスーパーボウルに出場した)

黄色い点はスティーラーズだ。ベン・ロスリスバーガーのルーキーシーズン(2004年)は15勝1敗。負けたのが2試合目なのでスイッチは2。

逆にスイッチが多かったのは、グラフのてっぺんにある、8勝8敗でスイッチ13のチーム。2001年のブロンコスは、WWLW LLWL WLWL WLWL。2008年のセインツも勝ったり敗けたりの WLLW LWLW LWWL WLWL。

このグラフの下に行くほど streaky なんだけど、右端、左端の方は streaky になって当然なので、勝った数を踏まえて判断しなくてはいけない。つまり、スイッチ4は8勝8敗だとかなり streaky だけど、13勝3敗だと、最も streaky でない、ということになる。

さて、問題のタイタンズを見てみよう。チームカラーのベイビーブルーだ。まず8勝8敗でスイッチ4と5はかなり、streaky だと言える。(8勝8敗の列の中で下の方にあるので)

2006年の LLLL LWWL LWWW WWWL と2009年の LLLL LLWW WWWL WWLW だ。

11勝5敗でスイッチ4も streaky だ。2002年の WLLL LWWW WWLW WWWW。

あと、スイッチ5とスイッチ6が2回ずつある。2000年の LWWW WWWW WLWL WWWW、2008年の WWWW WWWW WWLW WLWL、がそれぞれスイッチ5で、1999年の WWWL WWWL WWWL WWWW、2003年の WLWW LWWW WWWL LWWW がそれぞれスイッチ6だ。

このスイッチ5とスイッチ6の年を見ると、これらも確かに streaky と言えそうだけど、グラフから見れば判るとおり、12勝、13勝したチームにしては、スイッチの数は多い方だ。つまり、この12,13勝したシーズンは streaky であったのではなくて、ただ単に強かっただけだ。どちらかというと streaky ではなかったと言える。

今シーズン(2010年)はどうだったのだろう。6勝10敗でスイッチは7.どちらかと言えば、streaky という程度だ。ただ、5勝2敗で、今年こそプレーオフ進出か!と期待が高まったところからの6連敗だったので、タイタンズファンの中に「また連敗か・・・」という強い印象を残したと思われる。去年の開幕6連敗の後5連勝があるので。

結局、結論はよく分からないけれど、確かに streaky だったのが3シーズン、たくさん勝ったので streaky ぽかったのが4シーズン。ぱっと見て、タイタンズはストリーキーだと結論づけるのもうなずける。

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コメント

○ このグラフから ○

スティーラーズはタイタンズより強いですよ、ということも示唆されますね。

連勝連敗の期間はこの議論には入っていないですが、単に期間だけ比較するのではここでいうstreakyを反映してないんでしょうか?

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○ スティーラーズ強し ○

確かにスティーラーズはタイタンズよりも強いです。この(同時分布の)グラフの上と右にそれぞれ周辺分布の棒グラフをつけると、さらに明確になります。「連勝連敗の期間」というのはそれぞれの長さのことでしょうか?それはスイッチの数との相関がかなり高いので、ほぼ同じことになります。

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